大阪府立大(堺市中区)は20日、昨年11月以降に学生課就職支援室に郵送で届いた企業などからの求人情報642件を、封筒に入れたまま放置していたと発表した。
このうち23件がすでに応募期限を過ぎていた。大学は、学生や求人情報を送った事業所に謝罪、内定していない学生への個別支援を始めた。
同大学では、企業から郵送された求人情報は、支援室の職員がパソコンに入力し、学内のポータルサイトやファイルで学生が閲覧できるようになっている。
ところが、昨年11月から今年2月13日までに支援室に届いた全求人1208件の半数を超える642件が開封後に企業説明会の案内が抜き出されただけで、求人情報の入力作業が行われていなかった。このうち23件は応募期間を過ぎており、残りの619件は期限内か、表示がなかった。
病院や福祉施設の採用は大学の学部や専門学校ごとに求人を出すことが多く、4年時の秋から2月末にピークを迎える。今回、社会福祉学部向けの求人で放置されていたのは28件。うち8件が応募期限が過ぎていた。同学部4年生82人のうち、就職希望の16人がまだ内定しておらず、同大学では、応募期限が過ぎた事業所に再募集を要請するなどしている。
同大学によると、求人情報の入力を担当する職員は2人で、1日に最大で50件前後を処理。しかし、昨年10月過ぎから3年生向けの募集資料が増え、今年1月には学内で会社説明会や相談会が集中したため、担当職員らも応援に回り、入力時間が不足。資料がたまり続け、手つかずになったという。
今月2日、支援室を訪れた社会福祉学部の4年生が整理箱が床に置かれ、資料入りの封筒が開封したままになっているのを見つけ発覚した。佐藤昇太郎室長は「増員などの体制整備が不十分だった」と話している。
読売新聞 - 2007/2/21