高卒の求人ローラー作戦

新規高卒者の青森県内の就職を確保するために、今年の6月から青森県が各事業所を巡回して求人票の早期の提出を求めていたローラー作戦で、来春の高卒者の採用を予定している事業所として訪問した168事業所のうち6割以上の事業所が「求人票の提出を前年度より早めることを検討している」と回答したことが9月3日に分かりました。青森県は今年、要請の時期を例年より約3カ月早めに、前年度の求人票の提出が遅い事業所に的を絞って実施しており、ローラー作戦が一定の成果を挙げています。

今春、青森県内の高校を卒業した生徒の就職者のうち、青森県内の就職者の割合が5割を切り、16年ぶりに青森県外の就職者の数を下回りました。青森県は、青森県外への人材の流出に歯止めをかけようと、今年のローラー作戦を6月25日-7月20日に実施しました。前年度の求人票の提出が遅かった534事業所を青森県や青森県教育委員会、青森県警察の職員が戸別に訪問しました。

個別訪問の際の聞き取り調査で、来春の高卒者の採用を予定している168事業所の中で、109の事業所が「求人票の提出を早める」と回答していますし、計335人を採用する予定であることが分かりました。40事業所は「前年と同時期」と回答しています。「前年より遅れる」はゼロ、残る事業所は「未定」か無回答でした。

一方、「定着率が悪いので求人を出すか検討中です」など、高卒者の求人に二の足を踏む事業所も少なくありません。訪問先の事業所からは「採用の計画を立てるのが難しく、求人が遅くならざるを得ない」「学校の推薦とのミスマッチがあり、早期の離職者がでてきます」「先生は就職後の追跡の調査をしてほしい」といった要望が寄せられてありました。